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「おはよーございます。」
顔を洗ってオフィスに戻ると、いつの間にか出勤していた一人の社畜に挨拶をされた。
「あー、おはようさん」
俺は何食わぬ顔で挨拶を返す。ツラさを顔に出しては、社畜ではない。
それはただの奴隷だからだ。
「あれ?峯岸さんもしかして泊まり?」
彼女の名は小暮 陽子。入社2年目の準新社畜だ。まだ7時前だというのにご苦労なことだ。
「ああ、不意の深夜対応は社畜の醍醐味さ。」
「それはそれは、お疲れ様です。
もちろん、空調は止めてディスプレイの明かりだけでの作業ですよね?」
すぐさま飛んでくるコストカットチェック。これは彼女が新社畜時代に俺が仕込んだものだ。
「あったりまえさ。この俺のコストカットを甘く見られたら困るぜ。」
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