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「じゃあ今日はさっさと帰られては?
深夜残業代がかさみますし。
あとは私が『ワンオペ』しますね。」
釣れない態度と、さりげない社畜力稼ぎが彼女のチャームポイントだ。
「『サービス残業』だから、その必要はないさ。
ったく、相変わらず排他的社畜だねー、小暮ちゃんは。」
「ええ、だって『私が基幹システム』ですから。」
一人情報システム部を兼任する彼女はまごうことなき生き基幹システムだ。その言葉に偽りはない。
しかし、それは会社として些か危険を孕んでいる。
「小暮ちゃんの心がけはいいんだけどさ、
もっと新社畜を育てないと。」
差し込む朝日を背に受けながら、俺は磨いたばかりの白い歯を見せて続ける。
「俺たちゃ、倒れてなんぼの社畜だぜ?」
社畜の鏡の決まり文句。これで落ちない女性社畜はいない。
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