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気づけばオフィスの時計は7時55分を指していた。どうやら、彼女との会話に花を咲かせすぎてあっという間に時間が過ぎたようだ。
「いいんですか、おしゃべりに時間を割いて。」
彼女はツンとした表情で俺に毒づく。確かに、一般的な駄社畜であれば、隙間時間に少しでも業務を詰め込もうとするだろう。
だが、俺たち社畜の鏡は違う。
最高のパフォーマンスを維持するためには息抜きも重要だということを理解している。しっかり息抜きして、きっちりサービス残業をすればいいだけのこと。
「ああ、これも仕事さ。
会社を良くするための、ね。」
再び俺が白い歯を見せると、さも当然と言わんばかりに彼女はくすりと笑う。彼女もそれを理解した上でそう言ってきたのだ。将来が楽しみな社畜の鏡だ。
8:00丁度のチャイムが鳴ると共に、各フロアのモニターには恰幅の良い初老の男性が映し出される。
……朝礼の始まりだ。
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