2章

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「ん……もう、朝か」 今日は夏休み最終日。今日は生徒会の活動もなく、紅蓮からの呼び出しもない。 そう決めた俺は、二度寝をしようと一度起こした身体を再び布団の中に入った。 いつもの紅蓮なら、部活じゃない生徒会の活動でさえ土日にやるため、俺は毎朝八時に紅蓮の朝電話で叩き起こされる。 とはいえ、俺は朝に弱い。電話は取るが、紅蓮との電話が済むやいなや、寝ることが多い。 せっかくの土日に生徒会の仕事だけのために、睡眠時間を削るのは勿体ないと俺は思う。 それでも紅蓮は土日でも夏休み中の今でも、普段学校が一時間目が始まると同じ八時三十分には生徒会室にて書類をしている。 アイツの趣味は生徒会の書類をすることなんじゃないのか? と思うが、それを本人に言ったら、反省文を余計に増やされそうなので言ったりはしない。 それにしても、紅蓮が楽しそうにしている姿を見たことがない。 ああ、一つだけあった。それは好きな本を読んでいる時。 でも、楽しそうというよりは、ただ本が好きだから読んでいるだけにも見える。 互いのプライベートについて、あまり話したことがない。 いかにもインドア派な紅蓮は休日、どんな生活を送っているんだろうか。 今になって、気になってきた。 それもこれも、あの肝試し大会以来、俺は紅蓮のことを好きという気持ちが深くなってしまったから。 ただの親友……紅蓮は今でもそう思っているだろう。 俺が紅蓮を抱きしめて頭を撫でたとはいえ、あれは怖がっていた紅蓮をなだめるための行動だと勘違いされても仕方がない。 親友が泣いていたら、落ち着くまで側に居たいと思うのは当然だ。 しかし、恋人でもないのに、紅蓮に触れたりしたのは、まずかっただろうか。 そんなことを考えていたら、眠かったはずなのに目が覚めてしまった。 部屋に一人で居たら、色々考え込みそうだったので、俺は気分転換に外に出ることにした。 「たしか今日は俺の好きなマンガの発売日……」 ふと、好きなマンガの発売日を思い出した俺は、それを目当てに外に出ることを決めた。 「マンガも買ったし、あとは帰るだけだな」 目当てのマンガを購入した俺は、家へとすぐに帰ろうと思ったが、せっかくの休日なので、久々の休日を満喫するために外でブラブラすることにした。
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