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それは、カップラーメンを食べていた時に見たニュースだ。
「本日のニュースです。人間は、遺伝子レベルで利己的であることが判明しました」
僕はハフハフ言いながら麺を啜り、
僕ら全員が利己的で、それでも『優しい社会』って、あるのだろうか?
そう、思った。
「越後屋から金を盗み貧しき人々に分け与えた罪、法によらずとも許し難い。よって市中皿回しの上ムチウチ獄門!」
昔は、そんな優しさがあった。…らしい。
今は昔じゃないから、良く分かんないや。
ところで優しさと言えば、
「地球に優しい」で始まるのが環境問題の常套文句だ。
「ひとに優しい」なんておくびにも出さない。何故だろう。
そこで考察。
「地球に優しい」は、傷ついた地球に対する慈善の心。
「ひとに優しい」は、傷つけた地球に対する賠償の心。
人間は、神様が自分に似せて創ったものらしい。つまりそれって神さまも遺伝子レベルで利己的で…。
いつか神様はテンバツをくだすと思う。
利己的な僕らが、自分のために他人を傷つけるように。それでも。
「人間は、利己的な自分一人では生きていけない存在なんだ」
と、トモダチは何度も言う。
「明日のニュースです。みなさん、利己的な優しさで地球も大切にしてみましょう。利己的な人に優しい社会ではなく、人に優しい利己的な社会にするために」
僕は、地球が遺伝子レベルで利己的でないことを切に願う。
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