事故物件の記憶

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「これが……事故、物件の真相?」 私は金縛りにあったように体を硬直させていましたが、先輩に体を揺さぶられるとはっと覚醒しました。 すでに先輩の顔からあの灰色の口と顎は消えていました。 しかし、女の子のことはどうしようと逡巡しました。 言えば私はどうなってしまうのでしょう? 次の瞬間、私はつい今しがた先輩が話していたこの事故物件のことを思い出しました。 「せ、せんぱい、この部屋、男の人が心臓発作で亡くなったって……」 「……うん、そうよ」 「不動産屋に電話がかかってきたんですよね」 「ええ」
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