事故物件の記憶

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訳が分からない様子でいる先輩の受け答えにおかしいと思った私はすぐにリビングの方を振り返りました。 しかし、ありません。 私が殺してしまったはずの女の子の姿はどこにもありませんでした。 「えっ、ど、どういうこと?」 一瞬、すべて幻覚だったのかと思いましたが、私の両手にはあの女の子の首を絞めた生々しい感触が確かに残っていました。 「何があったの?」 心配そうに尋ねてくる先輩に今あったことを説明しようとしたのですが、そのとき私は今度こそ信じられないものを目撃しました。 彼女の顔の下半分がまるで白黒のモンタージュ写真のように別の人間のものに置き換わっていたのです。
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