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「それなら俊ちゃん、学校の近くにお店出したらどうかな?みんな学校帰りにコンビニに寄って食べ物を買ったりするんだけど、飽きてきたみたい」
「でも、ガキどもはお菓子より腹にずっしり来る肉系が好きだろ?正直、そっちの勉強はしてないからな」
帰ったら帰ったで頭を悩ます事は出てくる。
そんな事もあるだろうと、いろいろ考えて資金は多めに貯めてあるが、新たな勉強をするほどの資金は無い。
「でも、スウィーツだけでやっていける世の中じゃないかもしれないね。都会ならまだしも、この辺は田舎だから、一店舗でなんでも買えちゃうような店をお客さんは求めてるんじゃないかな?」
英彦はどんな問題にも真剣に向き合ってくれる。
それに比べて円華は、昔ほど考えなくなったようだ。
箸を口に銜えながら俊介を見つめ、首を傾げている。
「なんだよ?」
俊介が訊くと、円華は「ううん」と言いながら笑う。
「まさか俊ちゃんがそんな悩みを打ち明けてくれるようになるとは思わなくて」
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