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「ところで俊ちゃん、住むところはどうするの?まさか帰って来るなんて思ってなかったから、部屋も用意してないんだけど」
円華が言うと、俊介はから揚げを頬張りながら首を横に振った。
「数日、寝かせてもらえればいい。住む場所も探すから安心して。これ以上、英彦さんに迷惑はかけられないから」
そう言われると英彦もぶんぶんと首を横に振った。
「別に構わないよ。俊介くんなら歓迎だし、ゆっくりすればいいじゃないか」
「いや…甘えてばかりもいられないし、たぶんこの家にいると俺は働かなくなりそうだ」
またから揚げを頬張りながらそう言うと、さすがに円華も目を細めた。
「さっきからから揚げばっかり食べて……。野菜も食べなさいよ」
そのやり取りを見ていた優衣香はクスクスと笑っている。
あの頃と違うんだろうな…と、思いながら、その顔を見つめ、咀嚼したから揚げを飲み込んだ。
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