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しかし、どれを見てもピンとこない。
どちらかと言うと、優衣香より円華のイメージなのだが。
視線を優衣香に向けると、優衣香は苦笑いを浮かべている。
「買ってくるのはお母さんだから……。ほとんど着る機会も無いの。私はあんまりスカートが好きじゃなくて……」
ほとんどがスカートなのに、当の本人は好きじゃないと言う。
「どんな拷問だ」
つぶやきながらクローゼットを閉め、また部屋を見回す。
カーテンもピンクの花柄、ベッドカバーもピンク色なのだが、机の上にある文房具はごく普通のコンビニでも売ってそうなものばかり。
デスクライトも黒だったり、カラーボックスや本棚に並ぶ小物もどこかシンプルなものが多かった。
「いったい誰の部屋なんだ、ここは」
俊介のつぶやきにクスリと笑うと、優衣香はベッドに腰掛ける。
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