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隣をポンポンと手でたたくと、俊介を呼んだ。
優衣香に導かれるまま、ベッドに腰掛けると、また周囲を見回す。
机の上にある写真立てが目に入った。
学校祭の写真だろうか。衣装を着た生徒たち数名が、こちらに向かってピースしている。その中央には優衣香が静かにたたずんでいた。
「学校…楽しそうだな」
同じように写真立てに視線を向けた優衣香は、目を伏せて笑った。
「それなりに…楽しく過ごしてるよ。もうすぐ卒業だし…進路も考えなきゃいけないけど……」
「けど……?なんだよ」
「けど……俊ちゃんの事ばっかり考えちゃって…何にも手につかないの。あっちではどんな生活してたの?」
はにかみながら優衣香がそう訊くと、俊介は天井を見上げた。
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