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「まあ…毎日同じことの繰り返しだったな。朝起きて、店に行ってケーキ作って…寝る前にお前の猫耳写真見てから布団に入る」
「へ?」
素っ頓狂な声を上げ、優衣香は目を丸めて俊介を見た。
「いつかお前が送って来ただろ。猫耳写真」
あれは確か、事件の解決でお世話になった…折原彩香が初めて買ってくれた携帯電話で撮った写真を加工して俊介に送ったものだった。
あのあと、警察からの追跡を避けるためにコンビニのゴミ箱に捨ててしまったが、俊介はパソコンにデータを保存しておいたのだ。
俊介がアメリカに発ってから、全然会えなくて、写真だけでも送って…と、優衣香はお願いしたけど、俊介は一度も送ってくれなかったのに。
「ずるい…自分だけ……。私には一枚も送ってくれなかったのに。それに…あれ、13歳の時のだよ?」
恥ずかしい…と、赤くなった頬を両手で覆って俯いた優衣香の肩に手を乗せると、もう片方の手でカメラ機能を立ち上げて携帯を構えた。
「顔上げろ。写真撮るぞ」
俊介が言うと、優衣香がまた驚いて視線を上げる。
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