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夕飯の時間も終わり、優衣香と二人で後片付けを済ませたら、円華が厨房に顔を覗かせた。
「あんたたちいつまでやってるの?そろそろ行ったら?寝坊だけは絶対にしないでね」
これでも気を遣っているようだ。
残りの片づけを引き受けてくれたから、俊介と優衣香は部屋に戻り、着替えをした。
「本当にいいのかな?コテージ使わせてもらって」
優衣香はまだ戸惑っているようだ。
「いいんだよ。比嘉のばあちゃんとこのコテージ、結構広いからな。こんな機会でもなきゃ楽しめないだろ」
俊介が優衣香の背中を押しながら車へと誘導すると、強引に助手席に乗せた。
俊介は運転席に乗り、シートベルトを締めたら車を発進させる。
夕飯も食べたし、朝には戻ってくるから着替えもいらない。手ぶら旅。
車は真っ暗な海沿いを走りながらコテージへと向かった。
細い道を林の中へと入って行くと、丸太小屋が姿を現す。
比嘉のおじいさんが生きてた頃、自分で設計して建てた家だと言っていた。
円華に借りた鍵でドアを開けると、コテージの中に足を踏み入れた。
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