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 真夜中、ふたりきりの花火。  火球から弾けた火花に申し訳程度に照らされた彼女の表情は僕の知らない顔で、 「ありがとう……最後の我儘聞いてくれて」  なんて言うから、線香花火の火球が落ちる前に、僕は堪らずひと粒の涙を地面へ落とした。
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