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2.夢だった?
シャワーを浴び、午前中は寝ようとベッドへ寝転んでスマホのメッセージアプリを起動した。
――今日は会えて嬉しかった。おやすみ。
その後、1分程画面を見ていたが僕が送ったメッセージに既読がつくことはなく、僕はそのまま眠りについた。
午後からは大学の講義がある為、セットしていたアラームの音で目覚めると、1件の未読メッセージを受信していた。
それは予想したものとは全く別の内容で、まるで冷水を浴びせられたようだった。
とりあえず、大学に行かなくては。そう思い、身支度をするもどうにも気持ちが落ち着かない。
一体、何がどうしたというのだ。
昨夜の出来事が全て夢だったとでも言うのか。
いや、そんな筈は無い。だって、湊の連絡先は確かに僕のスマホに登録され、彼女からの返信も受け取っているのだから。
――すみません。どなたですか? 私のIDを誰かから聞いたのならすぐに削除願います。これを送ったらブロックさせていただきます。
「…………」
何度見てもメッセージは変わることなくそう表示されている。意味がわからない。
「周防、難しい顔してどうした?」
同じ学部で仲の良い吉良が隣の席に座るなりそう声を掛けてきた。
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