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中学生になったわたしは、相変わらず可愛かった。身体が成長したことでより女性らしく、出るとこも出た。足だって長くて、巷のモデルにだって負けないくらいの八頭身。わたしは、さらにモテた。この中学校の高嶺の花的存在になっていた。
「うーん。先輩のことはカッコイイと思うんだけど。好き? 付き合う? ってよくわからなくて」
「わからない?」
「ね、まぁくん。まぁくんは誰かを好きになったことある? それってどんな気持ち?」
「あ……うん、そう、だな」
わたしはまぁくんの気持ちが分かっているのに聞いた。まぁくんがわたしのことを大好きだって知っているのにあえて訊いた。
「ずっと一緒にいたい。側にいたい。守って……あげたくなる。そんな気持ちだよ」
「ふぅん?」
まぁくんの理屈はよくわかったけど、それって遠回しな告白だよ。
うん。まぁくん、昔からずっと気持ち変わってなかったんだね。ずっとわたしを守ってくれてるもんね。ずっとわたしのこと好きなんだね。
「はい、どうぞ」
わたしは、まぁくんの手をぎゅっと握った。恋人繋ぎ。まぁくんは緊張して身体を硬くしてたけど、それでもぎゅぎゅっと強く握り返してくれた。
わたしは、学校一カッコイイと言われてた先輩の告白を断った。
「わたしって、超カワイイじゃん?」
「あんま調子乗るなよ? なんか音々子、最近評判悪いぞ」
雅彦と同じ高校に進学してからも、わたしは可愛かった。
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