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不安だったものの……疲れきった時は、どこでも最高のベッドに思えるというのは、本当なんだな…。川原で刈り集めてテントに敷いた草の上に寝た感触すら覚えてない。
旅の朝は、物凄く早い。
僕が起きた時には みんな起きていて、思い思いの事をしている。
ヴァイスハイトさんが、芋団子を乾燥させたような物を鍋に入れている。
「おはようございます。ものの2分で出来上がりますから、支度をしてきてください。」
「あっ、はい。」
リェンさんが外から戻ってきた。スッキリした顔をしてる。ハンモックって、寝心地いいのかな?
「おはよう。疲れ、取れないでしょ?来なきゃ良かったって後悔してる?」
「おはようございます。…後悔?今のところは、まだしてないです。」
「おっもしろ~い。これから後悔するみたいな言い方ね。」
と、笑いながら言われた…。
「だって……モンスターは怖いから。」
ライアンさんも笑ってる…
「でもなぁ、旨いんだぞー!」
「え!?食べるんですか!?」
ヴァイスハイトさんは、鍋を混ぜながら、頷いてる。
リェンさんは、何か言いた気な笑みだ……きっと、「1人でモンスター全部食べるんでしょ」とか想像されてるんだろうな。
ライアンさんは教えてくれた。
「狩りやすくて旨いのは、兎系統かな。足が速いけどな。巧く捕まえたら、程好いご馳走になる。
熊獅子は喰えないな。硬い筋肉に筋があって、臭みもある。あー、毛皮は高く売れるぞ。その毛皮代で、町で美味しい物を食べまくる♪―――どうだ?楽しくなってきただろ?モンスターに会いたくなっただろー?」
……子供じゃないんだから。
「エドワイズさん、案ずるより産むが易しですよ。無理だったら逃げればいいんですから。楽しく行きましょう。」
楽しく…そうだ。父さんが言ってたっけ。気持ちで負けちゃ駄目だ。
「はい!」
なんだか、やる気が出てきた。
今日も頑張って歩こう。
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