0人が本棚に入れています
本棚に追加
【遠回り】
草地と草地の間にある道を歩く。
馬車が行き交い、旅人たちで踏み固められてできた道を。
遠回りをすることになったのは、僕が取り乱して、無我夢中で逃げたからだ。方向を考えて走ってたら、今もあの道を進……………嫌だな、あそこは。
……でも、申し訳ない…3人には。
はぁ……ひたすら歩いてると、思考の鮮度が落ちるのかな。
「どうした、辛くなったか?溜め息ついて。」
「ライアンさん…。吐き出させてください、さっきのこと。僕が考え無しに逃げたせいで、遠回りすることになってしまって、本当に申し訳ないです。」
「……気にしてたのか。ありゃ、仕方ないさ。それより無傷で良かったよ。
その逃げ足の速さなら、足手まといにならないからな。初心者にしちゃ上等だ。安心しろ。」
「そうです、気にしないでください。
そもそも、あの危険なルートを選んだことが判断ミスだったんです。
本当に、4人が無事で何よりです。」
「…ありがとうございます。」
「ねぇ、そろそろ寝る準備しないとね。」
リェンさんの言葉で、夕暮れが近づいてることを知った。
最初のコメントを投稿しよう!