【遠回り】

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ルートを西に変えてから、他の旅人達にも出会う。 少し先にテントが張られてもいる。 行き交い出会う中で、あいさつや(ねぎら)いの言葉を掛け合ったり、情報を伝え合う。こういうのも、いいなぁ。 近くにテントを張ったおじさんが、あいさつがてらに話し掛けてきた。 モンスターの棲息地帯で引き返してここへ来たことを話すと、驚かれて「あんな所、俺でも行かないぞ!相当、腕っぷしの強い連中が行く所だ。 兄ちゃん、旅慣れしてないだろ?素人に毛が生えたくらいで挑む場所じゃない。命があって良かったなー。」と笑われた。 そうなんだ……。 前の勇者だったら、あの道を越えてたのかな……っていうことは、あの3人は強いのか。 僕は、ライアンさんに、テントの張り方を教わりながら手伝う。 これをいつも1人でやってるなんて。これは重労働だ。 夕食は、野草に(きのこ)。ヘルシーだ……痩せる、絶対に痩せると思う。ああ…肉食べたいなぁ。せめて魚でも……ん? 「あのぅ、川に魚はいないんですか?」 「いるわよ。」 「あー、魚はな…前は俺が捕ってたんだけど。水中のモンスターにいきなり襲われて…ちょっとな、トラウマになって。」 「そうなんですか…。」 じゃあ僕が、とは言わないでおこう。 でも……茸かぁ………………。 川を見てみよう。それでダメだと思ったら諦められる。そうしよう。 「すみません。僕、川を見てみたいので、誰か一緒に来てもらえませんか?」 「おっ、俺は遠慮する。」 ライアンさんが凄い勢いで手と顔を横に振ったから、残る2人を見た。 ヴァイスハイトさんは 「自分は食事係ですから。ここで鍋の見張りをします。」と、にこやかに断り。 「私じゃ頼りないじゃない……ライアン、トラウマ克服のチャンスよ。ほら、行って!」と、リェンさんは拒否。 「押すな!」 「せっかくエドワイズがやる気を出して、自分から発言したのよ?」 「……そうだな。よし、行ってみるか。」 「ありがとうございます。竿とか、仕掛けみたいな物は、どうやるんですか?」 ライアンさんに並んで、川へと歩きながら話を聞いた。 「釣るのは、待つのがじれったくてなぁ。俺は剣で刺してたな。久しぶりだから、上手くやれるかな―♪」 嫌がってたのに、なんだか楽しそう。…っていうか、剣で刺すのか。ちょっと難しそう。
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