【始まり】

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チチチ…… 小鳥の(さえ)ずりが 僕の耳を撫で始めた。 ―――――――ふぁ~。眠い…。 早朝は太陽が陸から近くて、空気も澄んでいて、格別にきれいだ。 明けたばかりの空は さぞかし綺麗だろう……けど、目が開かない。……おやすみ。 掛布団を引っ張って顔を隠してから、どれくらい寝たんだろう。 階下から、母が呼ぶ声が聞こえてきた。 「エドー、お父さん行っちゃうわよー。」 飛び起きて、見えたのは、いつもと同じ朝の光景だ。 急いで着替えて、寝癖は布を巻いて誤魔化せば完了。 急いで父を追いかけた。……母と2人で歩いて行く姿が見える。邪魔しないで歩こう。 立ち止まり、膝に手をついて息を整えた。はぁ、はぁ…いい具合に距離が開いた、歩こうかな。 …………あの3人は、どこを目指して旅してるんだろう? あまり遠くまでは、歩く自信ないや。馬車ならいいなぁ…そんなお金持ってなさそうだよな…。
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