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「あぁ……!」
口いっぱいに頬張った上原に、コバが顔を青くして声を漏らす。
この気まぐれシリーズにどんな目に遭わされたかは、もはや聞くまい。
食堂内は先程と変わらず賑やかなはずなのに、このテーブルだけ隔離されたように沈黙が広がる。
誰も言葉を発しない。
上原も黙り込んでいる。
俺達も黙り込む。
え?何?なんかリアクションないの?
聞きたい。
ものすごく感想を聞きたいが聞いたらわざとらしいだろうか。
「ど、どうだ?」
なかなか言葉を発しない上原に、我慢出来なくなったオカゲンが切り出す。
お!勇者!勇者かお前!!!
「うん、おいしーーー……」
上原が言葉を発そうと口を開けた瞬間、重力に従って上原の頭が急降下する。
「う、上原―――!!!」
すごい音がしたぞ。大丈夫か?
しかも上原の顔はサンドイッチまみれだ。
これはもう手遅れだろう。
南無南無。
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