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そんな国江くんはあれから一言も喋らず、絶賛気まずいタイムである。
元々、仲良くお話するような仲でもないんだけどね。
でもまぁ、先輩ですからね!できる先輩は後輩が気まずい思いしないようにしっかり会話を投げかけるんですよ!!
「あー、えっと、この人たち知り合い……?」
「……」
…………
……
…
……無視……!!!
いつもなら『どうでもいいでしょ』とか『関係ない』とか言ってくるのに!!
そんなにデリケートな話題だったのだろうか。
たしかに、さっきの会話とか聞いてる限り男たちとあまり良い関係でも無さそうだし、……あ、あれ、さすがに無神経だったかもしれない。
微妙な質問をしてしまった以上、返事を催促する訳にも行かず、再び沈黙が訪れる。
あぁ、気まずい。
帰りたい……早く来てジンヤー先輩……。
「……家が、あいつらの1人の家の傘下だった時があるんです。」
「へ?」
きゅ、急に喋りだしたから心臓止まるかと思った。
今日はなんて心臓に悪い日だ。今日だけで寿命が1万年ぐらい縮んだ。
……というか、もしかして俺の質問の答えだろうか?
俺、国江くんとお喋りしてる……!?
「さ、傘下だったってことは今は違うの?」
「騙されて借金背負わされて、強制的に傘下になったんです。もう借金も返済して独立しましたけど、あいつらずっと恩みたいに……。」
「へぇ〜……」
座っている国江くんの組んでいる腕に、どこか思い詰めているように力が入った。
いや、重い……重いよ……
国江くんと話せてるのは嬉しいけど、どうせだったら好きなメロンの話とか、好きなタルビッシュ無の魔球の話とかがしたかった……。
流石の先輩である俺でも、重すぎる話題に何て返していいかわからず再び沈黙が訪れた。
やはり俺と国江くんの間には沈黙しか生まれないのかもしれない。
そう、答えは沈黙なのだ。
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