2.王道……?転校生

3/35
前へ
/132ページ
次へ
「仕事より萌え、それが俺のポリシーだ!誰にも俺を曲げることは出来ないんですよ!」 そう、何を隠そう俺は腐男子として萌えを探しに、このむさくるしい薔薇の花園のような学校に入学したのだ。 間違っても、風紀委員にこき使われるために入学したわけでは無いのだ。 「では、お前の持っている萌えとやらを、仕事が大好きになるまで燃やしていくか。」 「わ~いお仕事大好き~」 な、なんていう外道……! 俺の部屋のコレクションを人質をとるなんて、到底許される行為ではない。 こいつ、性根が腐ってやがるぜ。 まぁ、腐ってるのは俺だが。 ジンヤー先輩総受けの妄想を、漫画に書き起こして送り付けて、その綺麗な顔を歪ませて差し上げようかしら! しかし俺の答えに気を良くしたジンヤー先輩は、ニヤニヤしながら悔しがる俺のことを見ている。 きぃぃ!更にくやしい!!! 「そうかそうか。安心しろ、そう言うと思って仕事はいっぱい用意してあるからな」 何その気遣い。ドヤ顔されても嬉しくないわよ。 「流石アナタ、今夜はご馳走ね!」 「夕飯までに帰れたらな」 本日残業コースらしい。 ブラック企業極まれり。 ストロングマン相川も、もはやここまでか。 そんなこんなしていたら風紀委員室に到着した。 さっきの桜の木からこの風紀委員室まで、結構な距離があったのだが、あっという間に着いてしまった。 しかも歩かないでここまで来れたなんて、ジンヤー先輩便利だな、これからはタクシー先輩と呼ぼうかな。 「おら、ついたぞ自分で歩け」 「ありがとうございますタクシー先輩!」 「ほう、仕事はこれだけでは物足りなかったようだな。」 「やだな~冗談ですよジンヤー先輩!!!」 あぶねぇ、あぶねぇ。 うふふ、と気持ち悪い笑いで誤魔化しておく。 しかし、これ以上はまじで殺されかねないので、大人しく風紀委員室のドアを開けてそそくさと入っていく。
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2263人が本棚に入れています
本棚に追加