2263人が本棚に入れています
本棚に追加
「仕事より萌え、それが俺のポリシーだ!誰にも俺を曲げることは出来ないんですよ!」
そう、何を隠そう俺は腐男子として萌えを探しに、このむさくるしい薔薇の花園のような学校に入学したのだ。
間違っても、風紀委員にこき使われるために入学したわけでは無いのだ。
「では、お前の持っている萌えとやらを、仕事が大好きになるまで燃やしていくか。」
「わ~いお仕事大好き~」
な、なんていう外道……!
俺の部屋のコレクションを人質をとるなんて、到底許される行為ではない。
こいつ、性根が腐ってやがるぜ。
まぁ、腐ってるのは俺だが。
ジンヤー先輩総受けの妄想を、漫画に書き起こして送り付けて、その綺麗な顔を歪ませて差し上げようかしら!
しかし俺の答えに気を良くしたジンヤー先輩は、ニヤニヤしながら悔しがる俺のことを見ている。
きぃぃ!更にくやしい!!!
「そうかそうか。安心しろ、そう言うと思って仕事はいっぱい用意してあるからな」
何その気遣い。ドヤ顔されても嬉しくないわよ。
「流石アナタ、今夜はご馳走ね!」
「夕飯までに帰れたらな」
本日残業コースらしい。
ブラック企業極まれり。
ストロングマン相川も、もはやここまでか。
そんなこんなしていたら風紀委員室に到着した。
さっきの桜の木からこの風紀委員室まで、結構な距離があったのだが、あっという間に着いてしまった。
しかも歩かないでここまで来れたなんて、ジンヤー先輩便利だな、これからはタクシー先輩と呼ぼうかな。
「おら、ついたぞ自分で歩け」
「ありがとうございますタクシー先輩!」
「ほう、仕事はこれだけでは物足りなかったようだな。」
「やだな~冗談ですよジンヤー先輩!!!」
あぶねぇ、あぶねぇ。
うふふ、と気持ち悪い笑いで誤魔化しておく。
しかし、これ以上はまじで殺されかねないので、大人しく風紀委員室のドアを開けてそそくさと入っていく。
最初のコメントを投稿しよう!