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風紀委員室は入ってすぐに応接間のような場所があり、事件があった時にここで被害者や加害者の話を聞く仕様になっている。
応接間を突っ切ったところの奥に、風紀委員の仕事場所がある。
「おかえり、仁弥、永。どこ行ってたの?」
「うわーん!マクちゃん先輩~!聞いてよう、ジンヤー先輩が虐めてくるんだよう!」
「おーかわいそうによしよし」
にこやかに出迎えてくれたのは、幕田 浩二先輩。
俺の癒しである。
「相川、仕事をしろ。幕田、お前もだ」
「ぐぇ」
聖母のようなマクちゃん先輩に抱きついたら、ジンヤー大魔王に剥がされる。
全く、せっかちだとモテないんだからね、男の子に!
散々引きずってくれやがったお返しにジンヤー先輩総攻めを妄想しながら、自分のデスクに着く。
デスクには山のような書類が積み重なっている。
これを全部やれと……?
とりあえず元から散らばっていた俺の私物を掻き分け、デスクにスペースを作る。
久しぶりに見えたデスクの右上には、俺の名前と一緒に『副委員長』と記されていた。
そう、何故か俺が副委員長なのである。
お金持ちばかりの学校で、2年生で庶民の俺がだ。
ありのままを話すと、気づいたら副委員長だったんだぜ。
すべてはジンヤー大魔王のせいなのだ。許すまじ。
ジンヤー大魔王なんて、勇者のエクスカリバーで掘られればいいんだわ。
勇者×大魔王の妄想をしていたら、何かが伝わってしまったのか、ジンヤー大魔王に睨まれたので、いい加減に仕事に手をつけよう。
書類の山から、1番上の1枚を手元に持ってくる。
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