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マクちゃん先輩に毒気を抜かれた俺は、ジンヤー先輩を睨むのをやめて、再び手元の書類に目を向ける。
「それで、新歓行事、結局何になったんですか?」
どうせ無難に『学校の○×ゲーム』とかお金持ちならではの『立食パーリナイ』とかなんでしょ。
わかってるんだから!
「鬼ごっこだ」
ジンヤー先輩が腕を組みながら答える。
「神よ!!!」
思わず立ち上がって叫んでしまった。
周りの委員がビクッとなった。ごめん。でも神さま大好き!
まじかよ、奇跡!きっと、みんな鬼ごっこ大好きなんだね!
「永、そんなに鬼ごっこ好きなの?」
「ええ、大好きですとも。運動は嫌いだけど鬼ごっこは大好き!」
「なにそれ~?」
あぁ、聖母が笑っている様がいつもに増して美しく見える。
まじ鬼ごっこマジック。生きてて良かったです。
「相川、鬼ごっこで喜んでいるところ悪いが、新入生歓迎会については、風紀の仕事は倍増だからな。」
「喜んで!」
嫌がる俺を想像したのか、ニヤニヤしながらからかうようにジンヤー先輩が言う。
おばかさんめ!俺は本気出せば仕事が出来る男なのよ!
多分な!おそらく、おそらく。
「お前がやる気だと気持ち悪いな……」
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