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微妙に進化を遂げたここ地球。
しかし異星人とのコンタクトは、依然ない。
人類は空前の超超高齢化社会へ突入した。
介護に追われる日々、仕事もこなさなくてはならない。世界は今、そのような状況だ。
そんな中、俺の先生は画期的な装置を発明した。
『脱衣麻雀』だ。
いや、勘違いしないでほしい。
とりあえず話を聞いてほしい。
先生曰く
『私はまだ若く介護の経験はないが、介護では何が大変か?恐らく下の世話や入浴と言った着替えが必要な事だろう。そこでだ!私はこれを開発した!と言うかこれを発明したかった!』
介護は口実か。
下心丸出しだ。
と、言って出してきたのが麻雀セット、もとい『脱衣麻雀』だった。
先生は続けた。
『勘違いするな!ご老人たちを集めて脱衣麻雀をさせ、自分たちで服を脱がし、こちらの手間を省かせる……などと考えているのだろ?』
考えていない。
脱がすなら若者たちだろ。
そもそも自分で脱げるなら世話ない。
さらに先生は続けた。
『その考えは、かつて昭和と言われた時代のはなしだ!これは……もっとすごい。そう、近未来的だ!さあ、この牌を一つ持ってみろ!』
おもむろに手に取った牌には『中』と書かれていた。すると先生は突如、カウントダウンを始めた。
『10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…自摸!』
その瞬間、俺は全裸になった。
自摸ったのに全裸なんて、酷い仕打ちだ。
手に持っていた『中』は、なぜか額にくっついていた。そして先生は言った。
『これが、私が開発した装置「脱衣麻雀」だ』
俺は全裸で呆然と立ち尽くした。
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