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(………ってて)
「目が覚めたようだな?このどスケベが」
……誰だよあんた。
目が覚め、声のする方を向くと白衣を着た老人がいた。
ここはどこかの病室のようだ。
当たりどころが悪かったのか。
病院へ運ばれたのだろうか。
どれくらい時間が過ぎたのか。
否!!時間はあまり経っていないはずだ。
まず、俺が全裸。
なにより、場所はともかく股間には『南』が貼り付いている。ちょっと痛い。
ではあの老人は誰だ?
「安心せい、南くん。君はロッカーの中で全裸の変死ということになっておる」
(それって安心できるのか?というか変死!?)
部屋の壁には数々の賞状が飾られていた。
よく見るとそこには『脱衣麻雀』の文字が。
その一段下には先生の名前も書いてある。
しかしあれは、学会にもまだ発表していないのに。
ちっとも状況がみえてこない。
「南くん。混乱しているね?」
当然だ。
「教えてあげよう。君はロッカーから丸裸の状態で発見された。この私にね。そう、私は君の先生だ」
と言い、老人はIDを見せた。
確かに名前は先生だ。
「君を発見した時、君は全裸のまま気を失いピクリとも動かなかった。私も多少は医学的知識を備えており君の症状を診たが、当時の医療技術では完治できないほど君の脳はダメージを負っていた。なので医療が進歩するまで君をコールドスリープした。股間には『南』が貼り付いたままだろ?『脱衣麻雀』して間もないってことだ。そしてそれから30年が経って今だ。」
つまり、俺は10秒で30年後に来てしまったてことか?
「しかし喜べ南くん。君が眠っている間に私は新しい装置を発明したのだ!」
……もうなんでもこいだ。
「『東南西北はくパンツ』を開発したのだ!南くんそこへ上をむいて寝て。そしてこうやって、こうやって……」
仰向けになった俺に、老人先生は何かを始めた。
左乳首に『東』
股間に『南』
右乳首に『西』
アゴに『北』
ヘソに『白』
心臓に『發』
額に『中』
を置き、カウントダウンを始めた。
「10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…ロン!」
途端に股間が光を放ち、全身が光で覆われた。
すると、さっきまで全裸だった俺は、なんと服を着ているではないか。
よかった、パンツだけでなくて。
これでやっと、介護の場で活用が期待できるではないか。
「しかし、もう遅いんだよ……それは」
どういう事だ?
「こういう事じゃ」
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