15人が本棚に入れています
本棚に追加
もともとは一個であった卵を切り分けたのだから、姉妹にはそれぞれに、『欠落』がある、と。
認識機能とか?言語機能とか?記憶の保持、保存とか、その類の、いわゆる知的能力については、何の問題も無かったようなのだけれど。
けれど、それとは、いずれも、人間の人格には欠かすことの出来ない、とっても重要なものばかり、だったらしくって。
『欠落』のあるもの。
つまり、『欠陥』品。
要するに、私の七人の姉妹とは、どれも、その類。
だから、そう、すべて、抹消しなければいけないの。
探し出して、追い詰めてーーそう、ひとりひとりを。
後戻りの出来ないような、重大な事態になる、その前に。
そのために、そう。
私は、そのために、私と同じ顔を、私と同じ人間を、ずっと、探し続けて、追い続けているの。
抹消するために。
そう。
お父様の言われる、そのままに。
そして。
これまでに出会っていた姉妹たちというのはーー本当に、『欠陥品』ばかりで。
一人目は、そう、『誠実』の概念の無い、私。
そして、その子こそは、そもそもの元凶。
その『裏切り』が無ければ、姉妹たちは、お父様のもとを逃げ出すことは無かったのだから。
二人目の欠落はーーたしか、『謙譲』?『謙虚』?
誰に対しても、『傲慢』『傲岸』であった彼女は、探し出すのが、いちばん簡単だったかも。
最初のコメントを投稿しよう!