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三人目は、『寛容』『寛如』の欠落した、『嫉妬』や『妬み』な塊のような子。
四人目は、『勤勉』の欠けた、酷い怠け者、すなわち、『怠惰』な子で。
五人目のーー『秩序』の観念の無い、『無秩序』な私は、することのすべてがめちゃめちゃで、傍目には、ちょっぴり面白かったかな。
そして、『貞操』『純潔』のモラルの無い、六人目の、もっとも不名誉な私は、今さっき、仕留めたばかりーー。
そしてーーようやくのこと。
コンクリートの壁を背に、こちらを睨んでいるーー今夜の、この子が、そう、七人目。
最後となる、この子の『欠落』とは、『慈悲』、あるいは、『慈愛』、だったかな?
すぐにーーそう、わかったよ。
だって、ほら、自分の他の生命なんか、まるきり、見えてさえもいないような、その眼差。
その冷酷な目に映る、あらゆるものへと、これまでも、酷いこと、惨いことを、してきたのでしょう?
それなら、あなただけ、生き続けるなんて、善いことでは無いわよね?
それに、そう。
最後のあなたを、消し終えたのならーーお父様は、きっと、褒めて下さる。
そのためになら、私は、何でも出来る!
たとえば、『慈悲』と『慈愛』を持たない、あなたという私が、どんなに『残忍』『残酷』だろうと、絶対に、負けてなんてやらない!
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