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これまでの、六人の姉妹のときと、そう、同じこと。
ためらう必要など、無い、一切。
こちらも、すべての『慈悲』『慈愛』を捨て去るまでのこと。
無慈悲に対しては、あくまで無慈悲に、残忍に対しては、どこまでも残忍に!
だからーーこのまま、壁へと押し付けて。
そのまま、右手の刃で、一息に!
言葉なんかーー要らないよね?
いえ、あなたのような、『欠陥品』へと、そもそも、かけるべき言葉なんか。
最後の姉妹の身体は、そのままに、崩れ落ちている。
もちろん、『慈悲』などーー乞うはずも無く。
戻らなければ。
そして、お父様へと、伝えなければ!
そのひとは、きっと、喜んでくれる、きっと、そう、褒めてくれる!
考えたばかりでも、私、とっても、誇らしい心地になる。
だって、そう、神様が、褒めてくれるのよ?
「おかえり」
とーーお父様。
ね?
あたたかな微笑と、おだやかな言葉で、私を、迎えてくれてーー。
え?
どうして?
お父様。
どうして?
自動小銃なんて?
そしてーーなぜ?
なぜ、その銃口を?
私へと?
「ご苦労だったね」
と、お父様?
「そして、ようやく、これで、終わりだよ」
と?
そうだよ。
終わったのよ?
私は、全部、終わらせてきたんだよ?
が。
お父様は。
「そう、終わりだよ、八人目の、『欠陥品 』を、抹消すればね」
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