物が無くなる家

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Aさん夫婦は、妊娠をしたことをきっかけに中古の家を買って引っ越をした。 築二十五年ほどになる二階建てだが、一部リフォームもされておりそれほど古さを感じることもない家だったという。 引っ越しに伴う荷物の整理や面倒な手続きなどもひと段落し、一ヵ月ほどが経過した頃、家の中で不思議な現象が起き始めた。 最初は、化粧台の上に置いていたポケットティッシュだった。 確かに置いていたはずのそれがいつの間にか無くなったが、Aさんはおかしいなと思いながらもそれほど深刻に受け止めることもしなかった。 そして、その二日後。今度は洗濯して畳んでおいた旦那の靴下が片方だけ紛失してしまい、Aさんのミスだと思った旦那に小言を言われてしまった。 おかしいなと思いながら、それでもまだこの時点ではAさんも深く考えることはしていなかったのだが。 その後も数日おきに、また多いときは一日に二、三回のペースで家の中にある小物が消える現象が頻発し、さすがにAさんも普通ではないと判断し旦那へ全てを打ち明け相談をした。
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