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部長は息を整えて、専務室に入った。
「売り場の松田君なんですが、どうも食品の品質に疑問を持っている様です。自分なら他のスーパーで買うとか買わないとか。
経営者はどんな奴だと、怒鳴っているそうで…」
すると専務はゆっくりと立ち上がり「それは社長の事かね?それともナンバー2の、私も馬鹿にしておるのかね?」と眼鏡の奥から、目を細めていた。
「いや、それはそのう…売り場の松田君の意見ですから、私は何とも…」部長は、尻すぼみに消えいった。
そして専務は、社長室の前で襟を正した。
「社長!大変な事が起こりました!」
騒々しい専務に社長は一瞥して「何だね一体?」と顔をしかめた。
専務は息を整えて「実は、売り場の松田君の意見なんですが、我が社を乗っ取るつもりです」
「な、何だと!」と社長が怒鳴った。
「経営と言うより、経営者そのものの無能さを指摘し、自分が取って代わるんだと騒いでいるそうです」
社長は顔を真っ赤にして「誰じゃ!そいつは!」
「ですから、売り場の松田君です」
「今からそいつをここへ呼べ!直接、首を宣告してやる!」
社長の逆鱗に専務は、ただただ顔を真っ青にしていた。
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