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エピローグ
学校から帰ると、家の前に人が立っていた。春海と顔を見合わせる。
「あれ」
紅いひらひらミニスカートのドレスに、ニーハイブーツには既視感を覚える。
それは前回、三匹の子鬼を連れて命を狙いにきた純血の異母妹だった。
「君は……」
そこまで言いかけて、そういえば名前を聞きそびれていたことに気付く。
「立夏よ」
彼女はそれを察したらしく、口を尖らせながらボソッと名乗ってくれた。
前と違ってオレを消しに来たわけじゃなさそうだ。
家にあげてお茶と茶菓子を出してやる。
「どうよ、最近。えっと今の妖界とかさ」
春海もはっきり父親レキのことを聞くのもアレだろうと思ったのだろうが、余計に不自然な問い掛けだ。
「パパのこと?」
「あ、まぁ、そういうことだ」
ほら、バレバレだ。
「彼はどんな様子?」
あのあとすぐに春海を連れて人間界に戻ってきてしまった為、レキのその後が気になっていた。
様子を見に行こうと思えば恐らく行くことが出来るようにはなったのだが、連れ戻した春海の手前、早々に行くのも如何なものかと思って行けないでいた。
春海も気になっていたようなのだから、躊躇う必要なかったかな。
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