エピローグ

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「天狗の旦那が動くことがあったら報せろ」 「え?」 「ではな」  お菓子だけ摘んで一瞬で居なくなってしまった。  妖って神出鬼没なとこが疲れるな。 「くそっ、あの狐目、いつかワニワニパニックのハンマーで永遠に叩きのめしちゃる!」  春海が鼻息を荒くしている。  うーん、仲悪いなぁ。そんなに悪い奴ではなさそうなんだけど。でも掴めないのは確かだよな。 「えっと、じゃあつまり、自分たちの天下を失った鬼たちは以前同様もしくはそれ以上に命を狙ってくるだろうけど、三大悪妖怪酒呑童子レキは味方となってくれるかもしれない。でも、代わりに今まで協力してきた他種族の妖たちの力添えは、鬼の支配から解放された今ではもう期待出来ない上に、仲間だった天狗やら猿人やら人虎やらは最強の鬼を倒したとされる半妖のオレを倒して最強の座を取って代わろうと虎視眈々と狙ってる、ということかな」 「そういうことだな」 「追加で狐もなにかを企んでると」 「ああ、あれも気を付けた方がいい」 「……なぁ、これって前よりずっと状況悪くないか?」 「……んーそうかも」  春海は心ここにあらずといった返事だ。 「うわ、なに、他人事? まさか狼も頂点に立とうと狙ってるのか!?」     
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