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そんな目ってどんな目だよとぶつぶつ文句言っている。
「狐はあれだろ、天狗が頂点に立つのが嫌だからお前にくっついてんだよ。そうすれば情報も入ってくるし、お前らの動きを知っておけばいざって時自分たちの領分を護りやすい。要は三大悪のバランスを崩したくないわけだよ」
「そっか。じゃあ仲良くしとくべきなのかなー」
狐にとっては仲良くするのとはまた別なんだろうが、彼の場合はそれが一番理想なのかもしれない。
「まぁオレは幻影で遊ばれたのは忘れてねぇからな」
「先生も根に持つタイプだよな」
しょうがないだろ。幻影は、一番その人が想っているものごとを具現化してみせる。
オレの場合は、小雪だった。
何十年ぶりに逢った小雪は、全然変わってなく可愛らしいままだった。まぁオレの記憶の中のものだから当たり前なんだが、自分もあの頃に戻ったように共に祓いの修行に励んで、とても新鮮な気持ちだった。
それが幻影だと気付いた時は、現実にがっかりして切なくなったが、例え幻影でも、久しぶりに小雪に逢えた。その事に少しだけ感謝している。
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