セカンド プロローグ

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 なぜなら先生はオレの正体を知る数少ない人間で、オレが妖に狙われていることも知っている。  カーテンを引いて校内で片付ける作戦を練る。 「よし、この段取りでいくぞ」 「鮮度のいい死体ならいつでも待ってるぜ、特に妖のは大歓迎」  ちなみに先生の裏稼業はネクロマンサーだとか。 「殺さないから!」  外に出るとまだ妖がウロウロと空を飛んでいる。オレを見つけるとすぐ追っ掛けてきた。  また追っ掛けられてる自分にうんざりしながらも、走るのはやめられない。  何故なら今、オレが囮になっているからだ。  オレを追う妖のその背後から春海が追い掛ける。挟み込まれたことに妖も気付いたようだが、その時には予定通りまんまと部室棟裏に誘い込んでいた。 「鬼さんこちら手の鳴る方へ、ってね」  鬼はオレの方だけどな。 「丙!」  鬱蒼とした木々の間に隠れていた丙が立ち上がってこくりと頷く。  丙がぶつぶつと謡いだすと、妖の足元の地面に事前に描いておいた陣が、微かに光り出すようにして浮かび上がる。 「すげ」  強力な陣で妖が動きを止め、苦しそうに唸る。  妖を挟んで向かい側にいる春海も、うわー痛そーという顔をしている。  先程までオレを睨んでいた妖が、グググと呻き空を見上げだした。 「よし、解放して!」  オレの合図で丙が謳うのを止める。     
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