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一.師匠の家で《グランドマスターズホーム》
放課後同級生の祓師、丙に修行を受けているが、実際に妖を祓う現場を見た方がいいだろうという話は以前から出ていた。
それが前回春海が単独妖界に行ったのを追い掛けたため、流れてしまっていたが、今週土曜改めて祓いの仕事に同行させてもらえることになった。
祓いの依頼があれば通常数人で行くが、丙は一人で行くことが多いのだという。
昼過ぎに丙の家の最寄り駅で待ち合わせをし、電車を乗り継いで一時間ほどのまぁまぁ田舎の駅に降りる。
そこからバスに乗り換え十数分の停留所で降りる。
ぽつんと時代から取り残されたような公衆電話ボックスがぼんやりと照っている。
バスが通ってきた道はメイン道路のようで交通量はあったが、丙が進む山にあがるような道はぐっと車の数が減る。舗装はされているが、両側の茂みが鬱蒼としていて、まだ夕刻だというのにかなり暗いが街灯もない。二人とも夜目も効く方なので歩くには問題ない。
「この道の先に大きめの集落があるんだが、そこまで行く道で妖による被害があったらしい」
丙はそう言って、肩に掛けたカバンからなにかを取り出す。
「え、なにそれ?」
思わずぎょっとして聞く。
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