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「ん? なんだい、丙かい」
丙の御祖母さんなのか。
「お前何を連れてきたんだい。邪気を感じたがお前の気ではあるまいな……」
そう言って丙の隣にいるオレの顔を見て驚愕の表情を露わにする。
鬼だとバレたかとどきりとする。
「じん!?」
「え?」
なにやら違うとこに驚いたようだ。
首を傾げて御祖母さんを見ると、頭を振って訂正する。
「あ、いや、人違いだ、申し訳ない」
「壬は、オレのじいちゃんです……」
丙の御祖母さんが目を見開く。
「お前は壬の孫かい!」
「御祖母さんの言ってる人と同じかどうかはわからないけど、じいちゃんと似ていると言われた事はあります」
御祖母さんは何事か少し考えた後、薙刀を下ろして落ち着いた声で言う。
「……あがりなさい」
「お祖母様!」
丙が短く叫ぶ。
「悪いようにはしないよ」
悪いようにってなんだ?
心無しか丙の顔色が良くない。足が痛むんだろうか。
「お前のばあちゃん元気だなー」
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