9人が本棚に入れています
本棚に追加
うわ、きっつ! 容赦ないな、最強の鬼に対して。
うん、でも、立夏がいてくれて助かったぜ。
話し掛けること、と一瞬考えて今さっき知ったことを聞いてみることにする。
「あ、ねぇ、レキさんは、母さんの父親に逢ったことある?」
「え……?」
父さんとはなかなか呼びづらいものがあるので、レキさんと呼ばせてもらおう。
さらっと祖父について先程知った事情を話す。祓われそうになったことは言わないでおく。
「暦の父君か……。話には聞いていたが逢うことは叶わなかったな」
「そっか」
「父君も祓師だとは聞いてない」
よくよくレキさんを見ると母が惚れたのもわかる美貌の持ち主だった。母のセンスはなかなかだと思う。
鬼だと聞いた時、パンツ一丁とか想像してすいませんって感じだ。
ちょっとくらい似なかったのか。惜しいな。
でも不器用そうなとこは似てるかもな。
「ほらー、パパ。ちゃんと言いたいこと言わなきゃ」
立夏が肘でつつく。
「ん?」
「セ、セツくん、こっちで、オレと暮らす気は、ないか?」
「え……?」
「いや、……君はいま様々な者から狙われているという。向こうだと万が一の時すぐに助けに行くことが出来ないし、こちらならある程度の妖の動きは読めるから」
最初のコメントを投稿しよう!