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そう言うとガクッと頭を下げて項垂れる。
「セツくん、いつもオレを邪険にするよね……」
邪険にしているわけではない。
ただ、オレが生まれてからずっと傍に付いてるんだ。もう少し自分自身のために動けばいいのに、と思う。
今回の同級生の女子とのデート作戦も、仕返しするつもりだけじゃなかった。そろそろ母やオレとは違う大切な存在が出来てもいいと思うんだ。ていうか創るべきだ。
親離れ子離れとは少し違うかもしれないけど、彼女の一人でもつくったり、友だちと遊びに出掛けたりした方がいい。
オレも春海を幼馴染と思ってずっと一緒に遊んでいたが、それは少し違ったから、このままではマズいと思うのだ。
「ウザがられてるの気付かないの?」
「ひぇっ!?」
立夏の容赦ない言葉に春海が悲鳴のような声をあげる。
「せ、セツくーん」
あーあ、半泣きじゃないか。
「立夏、それは言い過ぎだわ」
「えー的確じゃない?」
ドSにも程があるわ。
「うわ、人間がうじゃうじゃ」
立夏が顔を顰める。
土曜日の原宿の人混みは確かにうんざりする程だ。
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