二.狼の円舞曲《ワルツ》

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「それは全然問題ないよ」 「そっか。立夏ちゃん、今日は楽しもうね!」 「……」  立夏は無言で赤口さんを上から下まで見定める。 「お、おい、立夏!」 「犬には勿体無いんじゃない?」 「え? え?」 「ごめん、これでも褒めてるようだから大目にみてあげて」 「??」  昨晩立夏に二人の邪魔はしないよう言ったのにも関わらず、赤口さんのことを甚く気に入ったようで、女子二人で盛り上がってしまっている。  竹下通りでお互い選んだクレープを食べ比べしたり、キデイランドであれもこれも可愛い可愛いと連呼したり、なんだか予定と違う気がする。 「あ、セツ! このトング可愛くね?」  春海も春海で赤口さんと話すのではなく、オレに話しかけてしまっている。 「なんでオレとお前がデートしてるみたいになるんだよ」 「えー、いーじゃん。二人とも楽しそーだし、ついでにオレもたのしいし」  あまりにもあっけらかんと宣うので、目論見を立てたこっちが馬鹿らしくなる。 「……トングだったらさっき猫の手のやつが可愛かったぞ」 「マジ? どれどれ?」  もういいや。どうせなんだからオレも普通に遊ぼ。  一通り巡った後遅めの昼食を食べにハワイアンレストランに入る。     
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