9人が本棚に入れています
本棚に追加
「それは全然問題ないよ」
「そっか。立夏ちゃん、今日は楽しもうね!」
「……」
立夏は無言で赤口さんを上から下まで見定める。
「お、おい、立夏!」
「犬には勿体無いんじゃない?」
「え? え?」
「ごめん、これでも褒めてるようだから大目にみてあげて」
「??」
昨晩立夏に二人の邪魔はしないよう言ったのにも関わらず、赤口さんのことを甚く気に入ったようで、女子二人で盛り上がってしまっている。
竹下通りでお互い選んだクレープを食べ比べしたり、キデイランドであれもこれも可愛い可愛いと連呼したり、なんだか予定と違う気がする。
「あ、セツ! このトング可愛くね?」
春海も春海で赤口さんと話すのではなく、オレに話しかけてしまっている。
「なんでオレとお前がデートしてるみたいになるんだよ」
「えー、いーじゃん。二人とも楽しそーだし、ついでにオレもたのしいし」
あまりにもあっけらかんと宣うので、目論見を立てたこっちが馬鹿らしくなる。
「……トングだったらさっき猫の手のやつが可愛かったぞ」
「マジ? どれどれ?」
もういいや。どうせなんだからオレも普通に遊ぼ。
一通り巡った後遅めの昼食を食べにハワイアンレストランに入る。
最初のコメントを投稿しよう!