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四.祓師の会合《ミーティング》
待ち合わせはホテルの上階にある眺めのいいレストランだった。店前で丙が待っていて、中に入るとソファ席に案内される。
六白と名乗った丙の父は、堅実さが見た目からわかるような人だった。丙とは涼やかな目が似ている。
今まで武中というと和のイメージが強かったが、この人はスーツをビシッと決めていて、今時っぽい。
父親という括りで比べてしまうと、レキさんがだいぶ頼りない感じだ。
飲み物を選んで、簡単に自己紹介したところで、三段重ねのティースタンドが運ばれてきた。
下から一段目はサンドウィッチ、二段目はスコーン、三段目にケーキ類が乗っかっている。アフタヌーンティというやつだ。
なにかの間違いじゃないかと丙の父を見ると、照れ臭そうに笑う。
「悪いね、甘いものに目がないんだ」
「い、いえ……」
女子じゃないんだからと思いつつも、そのギャップに心は踊った。
しかしかなりボリュームがあるが、これを女子は平らげちゃうのか? クラスの女子はダイエットダイエットと言っているが、こんなの食べているのだとしたら、どの口が言うんだと塞いでやりたくなるな。
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