四.祓師の会合《ミーティング》

2/14
前へ
/243ページ
次へ
 まずは一段目のサンドウィッチからいくらしい。一つとったやつはスモークサーモンが挟んである。 「今回の件はすまなかった」  一段目のサンドウィッチをペロリと食べてしまった六白さんは、そう言って頭を下げた。 「いっいえ、頭あげてくださいっ」  自分の倍生きている人に頭を下げられるなんてはじめてで戸惑うしかない。何よりも人目が気になった。  六白さんはそんなことは全く気にせず続ける。 「甲と巽にはよく言っておく」 「いえ、こっちも何もしなかったわけじゃないので……」  丙はオレを悪く無いと言うが、制御出来なかったのは確実に自分に否がある。なぜなら、丙とはじめて会った時、正気を失って鬼となって暴れ狂うことはないと見逃してもらったのだ。それにも関わらずあの所業。正気は失ってないが、己を抑制できなかったのだから同じことだ。 「いやいいんだ。最近の強硬派の行いは目に余る。痛い目みて少し反省してくれればいいくらいだ」  うわー実の子に対して些か厳しい意見だな。  丙をちらりと伺うと、オレもそう思うとばかりにしっかり頷かれた。彼も彼で早くも二段目のスコーンに手を伸ばしている。これは丙、アフタヌーンティはじめてじゃないな。     
/243ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加