四.祓師の会合《ミーティング》

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「セツ君には、丙の力になってやってくれるとありがたいと思っているんだが」  丙の力に? 「それはもちろんです。オレが出来ることなら」  いつも助けられてばかりだから、いつか返せるといいと思っている。  でも、どんな助けになれるだろうか。祓師の丙に対し、祓うべき対象である妖のオレが。 「そうか。良かったな、丙。鬼がついてくれるなんてこんな心強いことないだろう」 「え、あの、桃太郎の子孫ですよね?」 「そうらしいが、あくまでも言い伝えだ。今は何よりも丙の味方が一人でも多いほうがいい。妖気が強いのは特にね」  それってつまりどういうことだろう?  丙の兄、甲が家督を継ぐのではなく、六白さんは丙を押すということなのだろうか。力のあるものが継ぐなら、丙はなれないだろうと言っていた。流派の違いで家督を譲りたくないのだろうか。  丙を伺いみるが、表情はいつもと変わらない。 「セツ君は、俺の母の兄であり、正式継承者であった壬さんのお孫さんだから、血筋としては申し分ないんだよ」 「あの、でも、丙のお祖母さんからは、絶縁したから無関係と言われました」 「それは母さんの言い分だから気にしなくていい」  その親子関係にも派閥による軋轢が窺える。  丙の家はこれからどうなってしまうんだろう。     
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