四.祓師の会合《ミーティング》

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 鬼云々でも血の繋がりでもなく、一人の友人として力になってやれたらと思う。 「ところで、大天狗は今はどんな様子なのかな」 「大天狗、ですか?」 「うん、ちょっと因縁があってね」  桃太郎の一族は鬼だけでなく、天狗とも因縁があるのか。流石武中家だな。 「オレは向こうのこと知らないんで、今度レキさんに聞いてみます」 「レキさんて、君のお父さんのことかい? 三大悪妖怪の一人酒天童子だとか?」 「そ、うですね、一応」  ひとからお父さんと言われても、まだ素直に頷けない。  そういえば、彼はどういうことがあって悪妖怪と言われるようになったんだろう。今のレキさんからはちょっと想像がつかないな。 「ふーん、絶世の美男子と聞いたことがある。一度拝謁したいもんだね」  アフタヌーンティはなんだかんだ時間を掛けて、すべて食べきることが出来た。紅茶も種類を変えて何杯も飲んでしまった。  女子ってこんな贅沢なことしてんのかなぁ。  家に帰って春海にボヤくと、頬を染めて興奮した様子で声を上げた。 「あ、アフタヌーンティー!?」 「うん」 「しかも三段……無理やりにでも着いて行くんだった……」  なるほど、春海は興味あったのか。     
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