四.祓師の会合《ミーティング》

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「そうなんだ」 「今度ジジたちに聞いとくわ」 「ありがと、よろしく」  オレも知っておかないといけないだろう。自分を狙っているかもしれないのだから。 「怨霊ってさ、死んだ人間の幽霊とは違うのか?」 「……なにが言いたいんだ?」  春海が怪訝な顔をする。 「いや、母やじいちゃんたちの幽霊がいてもおかしくないのかなって」  以前から聞いてみようと思っていたのだ。死霊を使う先生もいれば、なにか出たから祓ってほしいという依頼を受ける丙もいる。  じゃあ死んだ人の霊が存在するのではないだろうかと。 「怨霊ってのは恨みや憎悪の念だけがこの世に留まってしまったもので、決していいものじゃない。妖と同視されるけど、本質は違う。妖は人間より長命だけど、繁殖して種を繋いでいく生き物なんだよ。でも怨霊は生み出せない。ずっとそいつが留まり続けるだけだ」  そうだったんだ。オレはホント何も知らないな。 「もし暦やじいちゃんたちがいたとしても、それは決して生前の彼らじゃあない。だからあいつにでも祓ってもらった方がいい」  期待したわけじゃない。でもほんの少し淋しくなった。 「じゃあ妖が死んだらどうなるんだ?」     
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