四.祓師の会合《ミーティング》

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「これから先も、こちらで祓師や妖に狙われることがあるだろう。その時は必ず手を貸そう」 「この間はたまたま訪ねてきたらって感じだったけど、こっちの様子がわかるの?」 「ストーカーしたらただじゃあ済まねぇぞ」  春海……。  それはありがたい提案だけど、ずっと引っ付いてもいられないだろう。 「なに、今後こちらにすぐに拠点を置けるよう庭に池を造らせる。さすればこちらの妖気の変化は手に取るように読める」 「あの鏡ケ池そんな機能があんの!」 「勝手に池を造るなっ!」  まぁ、そうだよな。 「それと、ひとつ情報をくれてやろう」 「情報?」 「こっちの世界の妖の情報だ」 「そんなのいらねぇよ」  儀鳳がチラリと春海を見る。今までは無視も同然だったのに。  なんだ? 「長い事絶滅したとされた河童が見つかった。どうやらただ身を隠していただけらしい」 「河童!?」  春海が驚愕する。 「河童ってホントにいるんだー」 「ここに狼男がいるですよ、セツさん?」 「いや、だって狼男やヴァンパイアは洋物じゃん」 「ここに九尾がいるぞ」 「狐や狸に化かされるとかは、なんか普通にありそうだし、狸合戦みたいに人間に紛れて暮らしてそうだろ?」 「……」  儀鳳が首を傾げる。 「いや、でも、河童が生き残っていたとは驚いたな」     
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