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「ウルサイよ」
そういえば昨日、春海から犬のにおいを嗅ぎ取ったな。
今までそんなの感じたことなかったが、もうあの時に妖の力が目覚め掛けていたのかも。
「バスケ部の試合はまだやっているんだろ? そこらへん彷徨っているかもしれないな」
「まぁ、何にしても探してシめてやる。行こう、セツ」
「ああ」
清明先生が手を振って見送る。
「鮮度のいい死体が出来たらくれよなー( *`ω´)」
「出来てたまるか!」
バスケ部の練習試合が行われている体育館へ向かう。
「足はもう大丈夫なのか?」
「ん? ああ、もう全然」
歩くのも問題なさそうだ。昨日の怪我といい、治癒力半端ないな。
そういえば昔からすり傷切り傷が耐えない奴だったが、不思議と次の日には怪我がなかったかのように動き回っていたな。
妖ってそういうところも人間と違うのだろうか。
「あれ、春海帰ったんじゃなかったの? 片付けとホームルームサボりやがって」
「悪い、ちょっとトラブって」
体育館を覗くと、バスケ部員のひとりが春海に気付いて寄って来た。クラスメイトのようだ。
春海が言われて、自分もホームルームを結果的にサボってしまったことに気付く。
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