六.セイレーンの予言《プリディクション》

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 そういう括りで判断するのは如何なものか。 「でも、わざわざオレに逢いにきた。考え方を改めて、この間の件を謝りに来たわけじゃないんだろ?」  半妖だからって、鬼の血が流れているのには変わりない。それを嫌悪されてしまうのは哀しい。 「あ、あんたはこの世を変える存在だという。だから逢いに来たの」  ほら、やはりだ。  そんな力があるのだとすれば、オレはその見方を別の方向へ変えてやりたい。 「この世を変えてほしいからか?」 「そうよ。あなたはすでに鬼の支配下にあった妖界を変えたと聞いたから」  それはオレがしたことではない。結果的にそうなったのは、春海が仕組んだことだ。 「どんな世界に変えて欲しいんだよ?」 「区別のない世界よ」 「それは無理だ」  間髪入れずに否定すると、彼女はカアッと顔を赤くして噛み付いてきそうな様子をみせた。  何か言い返される前にその理由を話してやる。 「区別がないってことは、他人との違いが無くならなければならないってことだろ。それはどう考えても世界は成り立たないよ」  想像しうるみな同じという世界は物凄く気持ち悪い。 「そういうことじゃない。区別をつけて排除しようとする世界が歪んでるの!」     
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