六.セイレーンの予言《プリディクション》

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「それって、つまりオレが、半妖として生まれようとしてくる中で、鬼たちの間になにかあったってこと?」  今まで許されたことが許されなくなった? 恋仲であった鬼と別れるだけでなく、その地すら出なければならなくなった? 「セツのせいだという話ではないぞ。でも、少なくとも鬼と人の半妖という存在が現れたことによって、世界に変革があった。お前の周りにいる奴ら以外にも影響があったんだよ」  ああ、本当に世界を揺るがす存在なんだな。自然と苦笑が漏れる。 「悪い。だけどセツだったら知りたいだろうと思ってな」 「生まれながらにして罪深い奴だよね、オレって」 「セツ……」 「ありがと、先生」  そうやって隠さず言ってくれるから先生を頼れるんだ。  礼を言ったのだが、なぜかみてられないとばかりに目を逸らされる。  そんなに堪えてないぞ、オレは。だって今更だろ。  こうなってしまった今出来ることは、その変革が悪い方だけに捉われないようにしていくことだ。 「なぁ、オレと一緒に妖界に戻ってみない?」 「え?」 「オレここを卒業したら妖界で暮らしてみるつもりなんだ。その相手の鬼に逢いに行ってみないか?」  彼女は怪訝そうに眉根を寄せた。     
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